2008 チェコ2日目

 ベットが堅くて、背中が痛い。
スプリングではなく、堅いウレタンスポンジのような素材。
枕も高いので、隣のベットに放って寝た。
弾力のある背の高い枕なので、そのまま使うと まるで壁を枕にしているように首が90°近くに曲がる。
あたしは枕がなくても平気な人。(キャンプ好きだからか?)

 朝食をとりに行くと、レストランのテーブルの一つに食べ物がまとまっている。
お皿が見あたらない。
後日判ったのだが、客があたし一人だったので、このテーブルで「食いたいだけ喰いな」ということだったらしい。
しかし…、お皿にはチーズとハムが全面に乗っている…。
 このチーズとハムは、ものすごく美味い! 
「かつてこんな美味いハムとチーズを食べたことがない。 これがプラハハムか!」と感動したものの、これはプラハハムではないことが、後日判明する…

 

 

 ホテル外観

 

 出掛けることにする。
フロントのネェちゃんに地下鉄駅の場所を訊くと、「近くにはないですわ。 バスに乗ってゆくしかないわ」と言われる。
「んでは、バスの切符はありますか?」と訊くと、取り扱っていないとのこと。
 インターネットで事前に調べた時、地下鉄駅まで4分って記されているのとか、7kmと記されているのとがありどうかと思ったのだが、どうやら7kmのほうが正しいらしい。(実際は、7kmどころではないことが後から判明…)

 

 バス停までは、ものの1分。

 時刻表を見てみると、グレートなことに1時間1本。
 「バス停まで行けば、商店か売店でもあってそこで切符を買えるだろう」という目論見は見事に外れ、お店はおろか、人っ子一人居ないのどかな風景が広がるのみ

 

 しかたない。
こうなったら、もう歩くしかない。
 と言うわけで、バス停を頼りに歩き出す。
村を出るとすぐに歩道がなくなり、車道を歩くことになる。
アスファルトの端のほうは決して状態が良くなく、足を取られることがある。
「登山靴で来てよかったぁ〜」と、しみじみとする。
と同時に「あたし、いまどこを歩いてんのぉ〜??」と、しみじみとする

 振り返ると、集落の中に塔が建っている。
昨夜タクシーの中から見えた建物だ。
「教会か修道院かなぁ? 明日行ってみよう」と思う

 

 こんな郊外を見知らぬ外国人がふらふら歩いているって事で、だれも車には乗せてくれない。

 ロズコスって地域に入る。
左手に、新築の家が並んでいる。
新興住宅地ってところかしら

 

 

 

 アイスクリーム、喰いてぇ〜!
でも、お店は開いていない。

 飲み物も持っていない、小銭もない、お店もやっていない!
曇り空でなんだか寒いし、たまにしか人を見かけない。
なんだか、切なくなってきましたよ…

   ロズコスの旧村ってところ
ここでロズコス村はおわりで、ここからプラハ市っぽい

 

 

 

 

 

 すてきな薬屋さん

 

  十字路で、バスがどちらに行ったのか判らなくなる。
前のバス停まで戻り、次のバス停の名を調べて、脳内GPSに従って進む

 

 

 あたし的には、はりねずみのぺっしゃんこ死体だと思ったわけよ。
ぺっしゃんこ死体だったら、おみやげにしようと思ったわけよ。
 わくわくして見に行ったら、どうやら牛の糞…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プラムの花??

なんでしょう? 桜っぽい花です

 なんだか、うん、遠くまで来たってかんじよ。
高速道路を越えるところよ。
遠くに例の塔が見えるのさ(大きく見えるが、望遠さ)

 この先でまた、バスの行き先が判らなくなる。
1時間に1本のバスが来るまで待つか、独断と偏見に基づいて進むか、それが問題だ。
 進むことにする。
「あっちにメトロがあるような臭いがする」という何の根拠もないカンに従って進む。
 構造主義建築が、懐かしくもステキ!

 

 地図を見ると、オパトフという町にいるらしい。
探している地下鉄駅もオパトフ駅だ。
この町の何処かに駅があるようだが、一向に見つからない。

 人に訊くのは嫌いだが、もうお昼も過ぎて「今日中にプラハ中心部(歴史地区)に出られるのか?」と危うくなってきていたので、ギブアップ。 キオスクのおばさんに訊くことにしました。
「地下鉄の駅の場所を教えてください」とチェコ語会話帳のフリガナを読んで訊いたら、「バスで1つ行ったところで降りて、道の反対側にあるわよ」と言われる(脳内適当翻訳機が翻訳)。
ということで、バスの切符も買う(バスの切符は、メトロの切符も兼ねている)
親切に教えてくれたおばさんに「グラッチェ!」と言ってバス停に向かう。
グラッチェはイタリア語じゃん!(フィレンツェの貴族階級の文章語がイタリア共通語です)
おばさんすんません…、チェコ語で言えなくて…

 

 「ひとに知識を教えてもらうという学校教育が、問題解決能力を高めるのに何の力にもならない」というように、ひとに答えを教えられるのは「判った!」という状態からはほど遠いものだ。
問題用紙の升目を埋める能力と、危機的状況で生き残るための判断をする能力は、次元が違う。
だから、学校の勉強しかしない子は、馬鹿になってしまう。
 日本の狭い学歴社会では安定した収入を得られるおとなにになれるだろうけど、基本的には頭からっぽで「ぼく、どこどこ大学出身で、どこどこ社に勤めています」って誇らしげに言ってしまうダメなコになってしまう。

 大切なのは、「自分で行動して、体験から考えて、識ってゆく」というプロセスにある。
と考えるあたしにとって、ひとに教えてもらうって事は、非常に屈辱的で面白くないこと。
んだから、このあと、じょげりました。 言い訳としましては、空腹に負けたのです

 

 バスに乗り、地下鉄駅にやっとたどり着く。
そこはオパトフ駅ではなく、その先のハイェ駅。 随分歩いてしまったようです。

 5日フリーパスを買おうと料金表を見たら、情報より値上がっている!
事前情報では350コルナが、500コルナ(当時約3,500円!)。
東欧はまだ安いって、そんなの随分前に終わっていたのでしょうか。
そういや、ユーロに加盟しているもんな(通貨は、まだ自国通貨だが)

 

 速くて急で、長いエスカレータを降りると、プラットホーム。
地下鉄駅は、シェルターとしても設計されているので、深く掘られています。
戦争時は、この中に非難するのですね。

 想像していた以上に、キレイでした

 

 車内に入ると、これまたきれいな配色。
今まで乗った地下鉄の中でも、ピカイチ!

 ハイェ駅は地下鉄C線の終点なので、客が少ないので撮りたいほうだい。
C線は路線図を見ると濃いオレンジ色なので、A線やB線も路線色をしたデザインなのか と期待が高まる

 次の停車駅近くになると、開くドアーに付いているボタンが点滅しだす。
このボタンを押すと、駅に着いた時に開きます。

 

 ムゼウム駅で降ります。
ヴァーツラフ広場の上方(南)の駅です(ヴァーツラフ広場は、坂になっています)。
ヴァーツラフ広場と言えば、作られた当時は「馬市場」、プラハの春ではワルシャワ機構の戦車が乗り込んだ処。 それに反対した青年が焼身自殺したところ。
う〜ん、感慨深いですね。

 

 

 

 その広場の南端には、駅名にもなっている国立博物館。
この建物の階段ホールは、映画ミッションインポッシブルの撮影にも使われました

 

 

 そうそうお腹が空いていたのでした。
なにしろもう3時、ホテルを出てからここまで6時間です。
 で、何を食べたかというと、ヤン・シュヴァンクマイエルの短編実写アニメーション作品「レストラン」で、おっさんが美味そうに食べていた焼きソーセージと黒パン。 黄色いのは西洋わさびです。 皿は、紙製。 これも映画とおなじで、嬉しいです

 

 これからの行動計画を練るのに必要な情報を集めるために、まずはプラハ本駅に向かう。
向かっていくと、駅舎がロナウジーニョの顔で覆われている…。
これ、作品用の撮影はできないよねぇー

コノヤロッ!ってかんじ

 

 えきのそばのインフォメーションには入り、ホテルの情報を集める。
本気でホテルを替えようと考え中。
 この建物の中は、空調が利いておらず、むっとした熱気。
お客が多かったので、ホテル・ペンションのちらし・名刺のみをいただいて出る

 

 

 駅の中を探検。
ホームに出ると、工事をしているところが多く、やってんのここ、って雰囲気

 

 

 

 

 そうそうノドも渇いていたのでした。
7時間半ぶりにノドを潤したのは、ピーチティ

 

 

 

 

 

 

切符売り場で、鉄道の時刻表を買いました

 

 

 地下鉄の改札口
切符を買ったら、黄色い打刻機に切符を差し込んで、日時を刻印します

 

 フローレンツバスターミナルに移動です。
ここから各都市や諸外国に行けます。
鉄道で移動するのもいいですが、長距離バスも捨てがたいですね。
鉄道から見る風景、バスから見る風景、それぞれに魅力があって悩みます。
 鉄道だとゆったり行けるし、トイレも付いているが、悪いヤツが駅や車内にいる可能性が高い。
バスだとそういう犯罪には縁遠いが、窮屈でトイレがない(付いてるのもあるかも知れないが)。
 そういえば、死んだ従兄弟は、東欧で長距離バスでの事故だった

 

 バスターミナルそばにあったスタンド。
さきほど食べたところより安くて、ガックシ

 

 

 

 

 トラムに乗ります。
トラムは市内を走っている路面電車です。
バス感覚で、乗り降りできます。
 トラム・バス・メトロ・ケーブルカーは、共通の切符で乗れます

 

 

 

 

 

 

 

 有名な観光スポットである旧市庁舎の天文時計。
これはその名の通り天体の動きもからくりで示していてスゴイものなのだが、一番注目したいのは地動説ではなく天動説に従って動いていることだ。
あたしとしましては、世界が天動説でも不都合ナシ。
多少天体の動きが複雑になるが、地球が宇宙の中心であったっていいじゃない!
 考えてみれば、西暦(キリスト教歴)を使うのもおかしいし、太陽暦もヘン! 学校で習う世界史は「西洋史」だし、通貨レートだってドル基準でニュースは話している(1ドル=xx円っておかしいよね。100円=xxドルって言うべきじゃない?)。 まったく、日本は白人社会の隷属国家かよっ!!!って話よ

 中古カメラ屋を覗く。
というか、日本では売っていないフォマの4×5モノクロフィルムが欲しくて、カメラ屋に入ったら中古カメラも取り扱っていたのでした。
望みのフィルムは、ナシ!
ガックシ…。

 オペマが欲しい…。 世界中のオペマを自分のものにしたい…(ビョーキだ!)
前期型のオペマに45mm/F2.8ベラルが付いている。 F3.5のレンズが付いていたら、買ってしまっていたかも…。
左隣のライカは無視するとして、右隣のコリブリがまたノンコートのテッサーが付いてやがって、欲しいでやがる。
右の写真に写っているフレクサレット、も連れてかえりたいですねぇ… 

 

 

 

 

 火薬塔を抜け、共和国広場からトラムに乗ります。
ヴルタヴァ川(モルダウ川)を越えたら下車、川沿いをカレル橋に向かって歩きます。
 左写真に写っているのが、カレル橋。
有名な橋であります。 観光客がいっぱいです。
観光客がいっぱいだと近づきたくないのだけれど、作品撮影のための下見として必要なことなので近づく。
かっこいい橋なのです。
中世では、処刑場としても使われていました

 

 フランツ・カフカ博物館。
カフカ、いい男ですね。 ユダヤ人です。

 

 

 

          しかし、この博物館の前にあるこのオブジェは何者!! 

 

 

 

 

 

 

 

  建物と建物の間をすり抜けてゆくと、レストランがあるみたい。
 ひと一人しか通れない狭さなので、信号機が付いています。
 おしゃれですね 

 

 

 

 

 

 カレル橋は渡らず、カンパ島に入ると公園がありました。
その公園で見つけた「犬のうんこ入れ」。
すばらしいですね。
袋と紙製シャベルがセットになっています

 

 

 

 

 

 

あっ、二輪のあれだ!

 

 チェコ人ってネコ好きなのか、ネコをモチーフにした看板が多い。
でも、町ではネコを見かけない。
ネコは室内に居るのだろうか?
 犬はよく散歩されていて見かけるが、看板にはあまりなっていない。
どの犬も手入れされていて、大事にされているようだ

 

 

 

 

 テュルドロのお店。
テュルドロは、木の棒に生地を巻き付けて焼いたお菓子。
木の棒からスルリと外されて、熱々の状態で渡されます

 

 

 

 あっちゃこっちゃ歩き回って、絵になる場所を探す。
写真にでも絵画にでも、参考になる構図・モチーフに出会うために歩き回って見て回る。
けっこう集中しながら見ているので、疲れます。
でも、「おっ!、これは…」という構図やモチーフに出会えると、とっても嬉しいものです。
どんなに本を読んでも、インターネットで調べても、現実に歩いて見る風景は別次元。
 ホンモノの体験は、自分の足で歩いて体験すること。
情報は、視覚からだけじゃないからね。

 オパトフ駅(ホテルに一番近い地下鉄駅)に着いたのが20:50。
バスは1時間に1本で、次が21:35…。 駅のバスターミナルの周りには何もなく、お店もやっていなくて、仕方なくベンチに座って日記を書く

 バスが来たら乗り込む。
乗車の際は、客が並ぶことはなく、乱戦。
プラハ中心部を走っているバスと違い、乗車口が1つで運転手のいる一番前のドアーから入る。
そこで乗車券を見せるのだが、現金で払っているひともいて「現金でも乗れたのかっ!」ということを発見。
乗車券を買いにくい停留所もあるからこうなっているんだな、と納得。
ということは、朝、歩かなくても良かったわけだ…。
でもまぁ、歩いたお陰でいろんなものを見られて良かった。
でも、二度と歩かんぞ! 駅に行くためだけには。

 バスだと、ものの10分で着く。
間違えて、1つ前のバス停でブザーを押してしまったので、ちょっと歩いてホテルに戻る。
22時、ホテル着。
シャワーを浴びたら(バスタブはない)、いろんなものを飲みながら明日行くところを考える

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