2009 チェコ6日目

 

 6:30 起床。 フィルムを交換する。
朝に交換するのは、夜はくたくたになっているので、細かい作業ができないからです。
ダークバックの中で(作業中の手元が見えない)フィルムを交換する作業なんて、上手くいかないとイライラして仕方がないのです。 撮影前のフィルムはともかく、撮影済みのフィルムをパーにはしたくありません。 というわけで、朝に交換をするのです

 

 

 今日もお昼を食べる時間がないと思うので、たっぷし食べます。
多分、宿泊客の中で一番食べていると思う

 

 

 今日のソーセージの皮はなんですか!!
まるで噛み切れません。 ビニールのように丈夫です。
仕方ないので、歯でこそげとって食べました

 

 

 ここ何日か、朝食で一緒になって挨拶だけしていた夫婦と初めて話す。
ポーランドから来たセージェク&ダイアナ。
せっかくお知り合いになったのに、彼らは国に帰る日でした。
 体格にこんな差があると、まるであたしは子供のよう。
東洋人が肉弾戦で西欧人と戦うって事は、とても勇気と技術が必要だ

 

 

 

 

 

食堂の入口

 

 

 

 

チェコでんでん

 

 メトロのホレショヴィツェ駅で、今回初の検札を受ける。
出発時刻が迫ってきていたが、謎の切符の正体を確かめるべくインフォメーションに並ぶ。
もう面倒なので、面倒そうなことは今日から英語使用。
 間に合うかなぁ、と少し心配になりながら待ち、タイムリミット3分前に自分の番が回ってくる。
おばちゃん曰く「一日乗り放題券」だそうだ。 そうだったのか!!

 

 

あたしもチャリでヨーロッパを旅したい

 

 

昨日からポケットに入れているので、すでに切符はへにょへにょ

 

 

 

 ウィーン行きのユーロシティに乗る。
2等車だが、広々としてキレイ。
座席は、通路を挟んで1席と2席

 

 

このねーちゃんは「ぎゃははは」と笑うねーちゃん

 

 車掌にチェコ語で話しかけるとニッコリされる。
厄介そうでない時は、やはり地元の言葉を使う方が印象がよい。
というか、礼儀だよな

 

 トイレに行く。
さすが国際列車は、清潔だ。
真空バキューム式で、航空機と同じ構造。
表記は、チェコ語・ドイツ語・イギリス語。
 ブロック状の石鹸が、東欧っぽい。

 最後尾車両の窓から、過ぎゆく景色を眺める。
後方にどんどん下がってゆく線路を見ていると、気持ち悪くなってくる…

 

 壁に貼ってある国内路線図を見て、ルートをチェックする。
やはり時刻表が欲しい。
なぜ売っていないのだろう?? 時期が悪いのだろうか。
前回買った時刻表は2007・2008版だったので、新しい時刻表が出ていていいはずなのだが。
売り切れだったら、早く増販してくれい!

 

 溜まった日記を書く。
テーブルが付いているのが、ありがたい

 

 あつ、お城だ。
チェコの城は、「城」と言うより「館」と言ったものの方が多い。
イメージにあるお城のような城壁がないし、建物も石積みがそのまま見えているのではなく、装飾されて綺麗

 

 モラヴィアに入ると高原鉄道から見る景色のよう。
ボヘミアは草原ってかんじだけど、モラヴィアは森林ってかんじ

 

 四角い建物が増えてきたら、ブルノ。
ブルノは、チェコ第2の都市にして、モラヴィア地方の中心都市

 

 乗り替え列車までの時間は、7分。
しかし到着が遅れたので5分になってしまい、しかも降車の際 前にいたおばちゃんが降りるのが遅く、下車して残り4分。
 走って案内板を見に行く。 ホームは5kとある。 これは5番の近くかなと思い、5番ホームに走る。
しかし、その列車がない。 もう一回 案内板を見に行く。 ホーム地図がないかと期待したが、ない。 発車時刻が迫っている。 近くのホームに行き、停まっていた列車の女車掌に尋ねるが、判らず。
 そうこうしているうちに、どこに居たのか判らないその列車は行ってしまいました…

 

 スリ注意の看板

 とりあえず駅舎に向かうが、これまた見付からない。
どういうこっちゃ!ブルノ駅!!

 

 

 

 彷徨って10分後、やっと駅舎を見つける。
時刻表を見に行く。 真鍮製の容器に入った時刻表は、とってもステキ。
 次発の列車は鈍行だが、時間を置かずにあったので、それに乗ることにする。
その列車の発車ホームも、やはり5k。
5kホームを探して、歩き回る

 

 

案内板

 

 

 

 発車2分前、やっと5kホームを見つける。
1番ホームの斜め先にありやがった。 こんちくしょう。
こんどは乗れるんだぜい、と思いホームに急いでいたら、おばちゃんに「XXXXXXXX!?」と呼び止められる。
多分「どこに行くんだい!?」と訊いてきているのだろう。 そして、親切心から案内してあげようと思っていたのだろう。
しかし、あたしはそれに対応できず、「チェコ語、ワカラナイ…」と答えている内に、あらあら、列車は出発して行ってしまったのでした…
 こんなのってアリ??

 

 再び時刻表を見に行き、次の列車を調べる。
次発まで1時間近くあったので、ブルノ市内を歩くことにする。
凹んだ気分を奮い立たせるためにライカを取り出し、速写しながら歩き回る。
速写していると、どんどん気分が盛り上がってくる。
スナップ写真家が「その一瞬に集中しろ」的に画面作りをおろそかにしてまで速写ばかりをするわけが解る気もする。 楽しいわ、速写。

 ブルノもなかなか面白い。 工業都市ってイメージ。
次回は泊まりで来てみよう、と思う

 

 

 駅に戻り、予定より1時間以上遅れてブルノを出発。
予定では急行に乗るはずでしたが、急行の本数が少なくて、鈍行。
到着時間は、ますます遅れそうだ

 

 なんだか高原鉄道のような景色が続く中、列車は進む。
左側を窓にして座っていたが、右側ばかりに村が出てきて、ちょっとくやしい。

 14時過ぎ、当初の予定より1時間半以上遅れて目的地のトゥシビーチに到着

 

 

 駅のトイレに入る。
ドアーの鍵のところに2コルナ硬貨を入れると、鍵が開くような仕組み。
だが、ドアーがガタついていてきちんと閉まらないので、開きっぱなし。
でも利用させていただいているので、きちんと支払う

 

 

 

駅にあったステキな黒電話

 

 

 とりあえずインフォメーションのあるカレル広場に向かう。
曇っていて肌寒い。
 駅は斜面の上にあり、広場は川沿い近くにあるので、坂を下ってゆく。
建物がいかにもチェコらしく、ステキである。
住んでみたい

 

 

 絵本屋さん発見。
「古本絵本をたくさん買って帰る」というのも前回からの課題なのですが、毎日が撮影だけに終わっているので、古本屋に入ることがまったくできないでいる。
 やっぱり一年ぐらい居ないと、だめでかすねぇ〜

 

 カレル広場では、午前中は市がたっていたようだ。
広場のはじっこにある建物の中にインフォメーションがある。
スグラフィットのステキな建物だ。
 この街では無料地図がなく、5コルナで購入する。
有料だけあって、紙質が上等である

 

 

 この出窓もイカす。
見学できないかなぁと思いつつ、時間があまりないので去る。
この街での一番の目的地は、ゲットー=ユダヤ人居住区なのである

 

 

 旧市街を出て川を渡る。
振り返ると、城壁が見える。
白い建物、城壁と合体してますね

 

 ゲットーに入ったら大判カメラを組み立てて、撮影を始める。
期待していたより小さな地区で、それに思っていたより綺麗で、思い描いていた撮影イメージが役に立たない…

 

 

 小さな地区を丹念に見て回りながら、撮影する。

 東欧時代の車が、とにかくステキ。
現代の西欧的自動車は、つぶれた饅頭みたいな形ばかりで、かっこわるいことこの上なし。

 ゲットーの全ての道を歩き終えたら、城と大聖堂を見に行く。
中にも入りたかったが、時間がないので外回りを観察するのみ

 デジタルカメラのニコン一眼レフで撮影していたオランダ人青年が、大判に興味津々で質問してくる。
モノクロフィルム一枚2ユーロと聞いて難しい顔をしていたが、本気で使ってみたいようだった。
デジタルカメラに限らず自動カメラでは、よっぽど機械の自動制御を抑えないと、自分の写真なんて撮れないから、そこらへんがこの青年のすっきりしない気持ちの元凶なのだろう。
「写真を撮りたいと思う若者よ! 自分の写真を撮りたいなら、フルマニュアルカメラを使い賜え!」ってところですかね。
写真学校でも、最初のカメラからデジタルになっているらしいけど、フルマニュアルカメラから勉強しなくて、基本が身に付くのかね??  手っ取り早く商業カメラマンの技術は身に付くかも知れないけど、それって面白いのかね?

 

 

 

 ゲットーから、その上の丘にあるユダヤ人墓地を訪ねる。
想像してたよりキレイ

 

 

 墓地にブルーベリーがたわわに実っている。
つまんで食べたいところだが、墓地のものなので遠慮する

 

 

 帰りの列車の時刻が迫ってきて、急いで駅に向かう。
ピヴォ飲みてぇー!と思いつつ急ぐ。
坂の街なので、いい運動である。 汗が出てくる。
 とあるピヴォニツェでコフォーラの看板を発見。
あたしの想像では、コフォーラは東欧時代に手に入れられないコーラに憧れて造った飲み物。
薬草臭さが、とっても美味。
サスケとかウィリー(推力)とかの味を気に入っていた人なら、たまらない味です

 

 18時過ぎ、駅に到着。
構内放送は、チェコ語と共に英語での案内もあり、助かる。
それによると、10分遅れているそうだ。
乗り換えの列車との乗り替え時間が7分しかないのだが、その列車が時刻通りならどうなるのだ? と不安になったので、窓口に訊きに行く。
しかし、英語が通じず。 あたしにはチェコ語が通じず

 

 

 予定では2回乗り替える。
そのどちらも乗り換えが失敗した場合、知らない街で泊まらなければならなくなる。
そりゃ不安だと思い、最初に乗る列車の終点がチェスケー・ブディェヨヴィツェなので、そちらに行って泊まったほうがよいかな、などと考えながら列車を待つ

 

 列車は10分遅れで来て、12分遅れで出発する。
乗車券は、乗り替えるたびに車掌がスタンプを押すので、スタンプだらけになってきた

 

 

美しいモラヴィアの風景が、不安な心も手伝って、なおさら美しい

 

 乗り替え駅に到着。
ここどこ?ってかんじ。 頭の中の地図で、現在位置が不明

 隣ホームに停まっていた列車の車掌に訊くが、チェコ語がちんぷんかんぷん。
同じ事を訊いたらしい客に車掌が「この外人を連れて行ってくれ」と言ったらしく、おっちゃんに連れられて乗り替え成功。 乗り換え時間は3分しかなかった(でも、待っていてくれてのね)

 

 

 夕暮れの美しい景色が流れてゆく。
センチな気分になる。
まだもう一回乗り換えがあるのだ

 

こういうところ、ゆっくり巡ってみたいなぁ

 

 

 

大きな街が出てきたら、それは乗り換えの予告

 

 さっきも待っていてくれたから、発車時刻を過ぎているけど今回も待っていてくれるだろう、と願う。
とっとと下車して、駅員という駅員に訊きまくりながら、乗り替え成功!
 ふぅ〜、これで今日中にプラハに戻れるよ…
 なんつーか、日帰りで行くところではなかったなぁ、と

 

 

 8人掛けコンパートメント独り占め!と思ったら、キレイなおねーちゃんが乗ってきた。
疲れているので話もせず、微妙な緊張感をたたえたまま、22:10プラハ中央駅に到着。

 

 へとへとですよ。
朝から何も食べていないし

 

 ピヴォニツェかポスホダかレストランに行きたいところだが、今日も機材がかさばっていてかったるいので行けず。
 中央駅のスタンドで、サンドウィッチ等食料を購入。
飲み物は、ホテル近くの商店がまだやっていたので、アイスと缶ビールとコフォーラを買って、ホテルに戻る

 缶ビールは、まったく冷えていなかったので、洗面器のなかで水で冷やす

 

 冷やしている間にシャワーを浴びる。
足のマメが、増えている。
痛いはずだわ。

 TVを見ながら、夜ごはん。
なんだか外国まで来たとは思えない貧相な晩飯だ。
我ながら、なんだか可哀想になってきました

 

 

 そう考えていると涙が出そうになってくるので、部屋を見渡してあれこれツッコミを入れながら気分をまぎらわす。 
 セントラルヒーティングの配管が、静脈と動脈みたいだ。

 一日の終わりはビールだなぁ、としみじみとする

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