2008 チェコ6日目

 

 

  7:40、朝ご飯。
 ここのパンは本当に美味しくて、食後2コ、カーゴパンツのぽっけに入れる。
 行動食ですね。 ついでにジャムもいただく

 8:21のバスに乗る。
5日フリーパス(打刻から120時間有効)を使っているのだが、ある運転手だけは「これは使えない、10コルナだ」と、10コルナ支払わされる。
今日もバスが来た時、その運転手の顔が見えたので、諦めて10コルナ用意する。
フリーパスは「0ゾーン内が有効」と書いてあり、その0ゾーンを調べてみると「メトロ駅は含まれているがホテルの停留所は含まれていない」という微妙な状態
 中央駅に行き、ターボルという要塞町までの切符を買う。
ターボルは、強欲なカトリックに対して「もっと聖書に忠実に生きたらどうなの?」とプロテスタントより少し前に反抗したフス派の戦闘都市です。
カトリックが教会を権威と教化の象徴としていたのに対し、フス派は「教会とは、聖書に沿って生きる人々のコミュニティそのものだ」と言っています。 教会という偶像を否定しているのです。 キリストは、偶像崇拝を否定しているからね。
でも、あたしからしてみると「聖書自体もキリストは否定しているのでは?」と思う次第です。
 キリスト教が一神教で世界をピラミッド状に捉えるのは、砂漠で発生した宗教だから、と考える人もいる。
が、やはり、ヨーロッパの人たちは元々権力志向が強く戦闘を好むという性質が、それを保証する理屈としてキリスト教を選んだ、と考える方がしっくりとくる。
産業革命の時、「より強いものが発展する」というダーウィン進化論を歓迎したように。
それら「優れたものが劣ったものを支配する、或いは、導く」という傲慢な考えが、全世界を不幸にしてきた歴史だと思う。
 あたくしは、ヨーロッパ文化は好きだが、ヨーロッパがやってきたことを好意的には見ていない。
アメリカの国家戦略やアメリカ人の世界での傲慢な態度は嫌いだが、アメリカの国土や造り出すものは結構好きだ、というのと似ている。
 やはり白人が潜在的に持っている狭量な価値観には、注意が必要だと思う
 たくさんの計器

 

 出発間際、警察が3人乗ってきて、一人の男を拘束して行った。

 座ったコンパートメントとトイレが近くて、風向きによってアンモニア臭が漂ってきてつらい1時間半を過ごし、ターボル駅に到着。
 南ボヘミアですね。
チェコは、大きく分けるとボヘミアとモラヴィア。
そのボヘミアを更に2つに分けると北ボヘミアと南ボヘミアに分けられます

 駅舎のトイレに行きます。
5コルナ硬貨を入れると、ドアーの鍵が開きます

 

  ロール状の時刻表。
 クルクル回しながら、お目当ての発車時刻を調べます。

 

 

          ターボル駅 外観

 

 

 

 薬屋マーク

 要塞である旧市街までは、歩いて15分。
街の中心に広場まで行き、インフォメーションで地図をいただく。
その建物の隣にフス派博物館があり、街の地下に3層12kmにも渡って掘られた地下道見学ツアーをやっている。
ということで、地下道、行くしかないでしょう!
 と、その前に「出発まで時間があるから、博物館を見ておいで」と言われ、博物館を見て回る。
こういう模型って、じっくり見ちゃうね〜。 楽しいね〜。
 気になったのは、隻眼の英雄ヤン・シジカの絵画や偶像。
見えなくなった目が、左目のと右目のとがあり、一体どっちなの?、と

 他のお客は、みなチェコ人。
チェコ民族(スラヴ民族の一族)という民族意識を高める必要があった時代、カトリックに対するフス派のキリスト教改革運動は、彼らの誇りであったのです。
というわけで、ターボルの街は、一種の聖地のような感覚があるようです。
 結局、カトリックの巻き返しが強く、チェコのキリスト教徒のほとんどがカトリックだけれど…
(共産主義時代の影響で、無信仰が60%近く)

 

 

 

                地下地図

   歩く見学者

 

 地下見学が終わった後は、街の中心にある「キリストの変容教会」の塔に登ります。
教会の裏側に入口を発見、登ります。
ここでも入口に受付はなく、頂上にあります。
係りの方は、トイレに行く時はどうしているのでしょうか

「この鐘、急に鳴りだしたりしないだろうな…」と、ビビりながら鐘をくぐる。

 

 基本的に階段は時計回りのはずだが、ここターボルの建築では反時計回り。
時計回りでないと、登ってくる敵と戦う時、柱が剣の振りを邪魔してしまうのです。
左利きが多かったのでしょうか?

 

 てっぺんに着きました。
200段の地上50mだそうです。
 眺め、サイコー!
 風が、心地いいー!

 おみやげにピンバッチを2つ買いました

 

 変容教会内部。
あっさりしています

 

 お腹がすいてきたので、持ってきたサンドウィッチを食べようと、眺めのいいベンチに着席。
飲み物を飲んでいたら、おっちゃんがやってきてなんだかんだと言ってくる。 なんだ?
そして、自分で描いたらしきスケッチを見せ始める。 どうやら、買ってくれと云うことらしい。
しかし、しかしだ。 なんとも拙い絵…。 すまないけど、買えません…。
 もしかしたら、生活が苦しくて仕方なくやっているなら、どうにかしたいけど…。
あんな絵はいらんっ

    おっ、スパー系列の店だ

 コトノフ城に入る。
ここにもフス派博物館。
ターボルの歴史がジオラマと遺物と共に展示されている。
英語のパンフレットを借りて、適当に読みながら、展示物はじっくりと見る。
民俗学は、あたしの趣味ですから

 塔の上に登る。
やっぱり反時計回り。
 上からの眺めは、サイコー!
 風が、心地イイー!

 尖って見えるのが、先ほど登った変容教会の塔

 

 

 

 

コトノフ城とその塔外観

 

 

 

 結局先ほどはサンドウィッチを食べることが出来なかったので、レスタウランツェ(レストラン)かピヴォニツェ(ビアホール)を探す。
 で、ここがいいんじゃないの!? メヌー(昼定食76コルナ・ビール500ml付き)があるしー、と思い、看板の指示に従って「2匹の猫」というレスタウランツェに入る。
「あれだよあれ! メヌーを頼もう。 判らないチェコ語のメニューはやっかいだから」と、メヌーのメニュー(なんかヘン??)を取り出したら、ウエイトレスが「これはこの時間はもうおしまい」と取り上げてしまった…!
ショック!!
昼飯計画が台無しなあたくし。
 気を取り直してメニューを見てみると、英語の併記があったので、何とか注文できた。 ふぅ〜

 

 で、ビールがきて、半分をグビグビーっと飲んで「うみゃ〜! こりゃあ、1リットルコースかぁ?」と思っていたら、持ってこられた「伝統的スープ」の量が半端でない!
「おー、神よ…」とガラにもなく、神の名をつぶやく

 

 こうなったらアレですよ、満腹中枢が働き始める15分までに平らげる作戦です。
ビールに口を付けたいが、一生懸命スープを飲む。
これがジャガイモや厚切りハムがゴロゴロと入っていて、なんともボリューム満点…。
ようやく食べ終えたと思ったら「シェフのお薦め豚肉のグリル」が副菜のパンと共に運ばれてきて、これまた絶望的気分になる…。
「これを、平らげろ、と…」

 結局、パンは一枚しか食べられませんでしたが、頑張って完食。

 お腹ぽんぽん状態で、街の中をうろつく。

 喰ったら出す、ということで、トイレへ
ありゃ!?なんか薬指に指輪してんな…。
ときどきしていることがありますが、これは「絵の神様に、余計な事に目をやらず、ひたすら目指す美のために殉ずる」という決意の現れです。
 ほとんどの時が外されていることを考えると、もう少し真面目に美に殉じたほうが良いのでは?とは、自分でも思います…。 反省…

 

 

今はなきコニカの看板

2色カラス

 

 ターボルの街は戦闘用に作られたために、まっすぐな通りがなく、面白い。
次は大判を持ってこようと誓い、駅に向かう

 駅のホームでぼーっと立っていたら、郵便局のおじさんに声を掛けられる。
日本人だと判ると、一生懸命日本語で話してくる。
日本語を独学で勉強しているそうだ。
これが他の国だったら「日本語を勉強していま〜す。少し話してくださ〜い」というのは、ほぼ100%犯罪者だが、のんびりとしたチェコでは、ちょっと具合が違う。
 ハグして、グッドバイ

 

 

 列車が着くと、たくさんの人が降りてきました。
日本の家畜化した情けない軟弱野郎共と違って、チェコ人はフィールドで遊んでいます

   車内、足下にわんこ

 

 

 

 

 

 

 

18:50、プラハ中央駅に着き、きれいなオネーサン

 

 なんで日が暮れるまでターボルにいなかったかというと、プラハで人形劇を観るため
チェコといえば、人形劇。
公共の場でのチェコ語使用を禁止されていた時代、唯一人形劇だけに使用を許可されていたのが、人形劇が発達した理由だと言われております。
 あたくし的には、パペットアニメーションのほうが好きなのですが、ルーツはこちらなので観ておかないといけません。
 演目は「ドン・ジョバンニ」。
舞台も内容もチェコとは関係ないのですが、他の国では評価されなかったこの作品がモーツァルト指揮で大人気のオペラになったこと、観光客でも知っている内容であること、が 理由のようです

 予想を裏切るほどのエネルギッシュな人形劇(人形が壊れるのではないかと心配するくらいの動き)を観た後、残り少なくなった滞在の夜を惜しむように街をうろつきます

 

 夜9時頃でも観光客が来るような処では人がいっぱいで、「おれっちもピボニツェかホスポダ(居酒屋)で飲みて〜」と思いながらの散歩です。
 こういう時、やっぱり中心部にホテルをとった方がよいのか? せめて門限のないホテルがいいな、と 思います

 

 22:40ホテルに戻る。
今日も充実した一日だったぁ…(特に腹が)

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