2008 イタリア1日目

 

 2008年某月某日、イタリアに行くことにする。
イタリアは、小さい頃に連れられていって以来の処。
記憶にあるのは、馬車に乗ってる時に馬が黄色い糞をひりながら走っていたこと、学友が車に轢かれてケガをしてホテルで騒ぎになっていたこと、ナポリのレストランでカエル料理がでたこと、ゴム仕掛けの鳩型飛行模型を買ってもらったこと。
 おおよそ30年振りのイタリアは、あたしの目にどう写るでしょうか

 とりあえず成田エクスプレスに乗って、成田空港に向かいます。
成田って、遠い…。 外国人からもそこら辺が、不評。 あたしにも、不評。
なんだか成田空港に向かうだけでも、旅をした感じがする

 

 航空会社の受付で、受付をする。
座席は、通路側を指定。 窓側も憧れるが、長時間のフライトならばトイレに行きやすい席の方が安心できる。
もしトイレに行きたくなった時に、通路側の人が眠っていたら困るから。
それに通路側の席だと、いろいろとデス(スチュアーデスの略)に頼みやすい。

 航空会社は、久しぶりのアエロフロート!
できればロシア製の飛行機に乗りたかったのですが、用意された機体はボーイング737-ダッシュ300。 アメリカ製です。 残念。

 

 空調の冷風吐出口が壊れて吹きっぱなし。
それをスチュアートが粘着テープで強引に塞ぐ。
これで解決したように見えるけど、モスクワに着くまでテープが2回はがれた。
恐るべし! 空調力

 

 ごはんの時間です。
どうやら機内は、青色とオレンジ色のデザイン。
和食と洋食の混ざったヘンな組み合わせ。
なんだかパサパサしている。
飲み物が一緒に出てこないので、のどが渇く

 

 地球の自転方向に西へ向かっているので、いつまで経っても夕方。
長いながい夕焼けがつづく。
白夜って、こんな感じかしら…。

 毛布がとっても暖かくて、持って帰りたい気分。
でも考えてみると、ソビエト時代のアエロフロートパイロットは空軍上がりで、当然スチュアートも軍人か秘密警察の方。 ばれたらぶっ殺されそうなので、持って帰る作戦は中止。

 

 そうそう、アエロフロートの機体には、全て名前が付けられている。
この機体はチェーホフ号でした。 ロシア文学を読みたくなってきましたよ。
 無料の飲み物は、水・オレンジジュース・りんごジュース・トマトジュース。
その他は、有料。
 食後の飲み物の緑茶・紅茶は、ティーバック出しで薄い。
コーヒーもなんだか薄くて美味しくない。
 まぁ、そのぶん安いので、仕方がないか

 

 暇になり、カメラのメンテナンスを始める。
70年以上前のドイツ製カメラ。
蛇腹がとってもステキ!
美しぃ〜! 
操作には約束事が多くて、それを一つでもやり損なうと写らないけど、そんなところがまたステキ。
緊張感が維持できるってのは、とってもよい。
あたしがよく言っていますが「便利な道具を使うと、人間が馬鹿になる」ということです。

 テーブルの上に出して惚れぼれしていると、じいちゃんが話しかけてきて、しばし話す。
じいちゃんは最新式デジカメ。 あたしはじいちゃんくらいの年齢のクラシックカメラ。
なんだか、逆って感じ

 

 最初はこの下側の青いヤツのこと、お菓子かと思ったのです。
ウェットティッシュでした。

 座席が合皮でスベスベしている。
そのため、ダレーっと座ると滑ってずり落ちてゆく…

 

 日本時間21時頃、晩ご飯が出る。
ビーフかシーフードかだったのでビーフを頼んだら、それは「焼きそば」であった…。
シーフードの人のを覗いたら、それはパスタであった。
 キットカットは行動食として確保する

 

 おおよそ11時間の飛行を終え、モスクワ・シェレメチェボ空港に到着。
現地時間ではまだ夕方だが、照明は閉店後のお店のように暗い。
夜中に仕方なく営業しているような暗さ。
 機内でデスに「乗り換えですが、ロシアの入国書類は必要なのか」と訊いたら「必要だ」と言うので書いといたが、乗り換え手続きでは要求されなかった。 書類には「乗り換え」の項目もあるので、たぶん空港外に出る人には必要なのだろうと解釈する。
 次の飛行時間は4時間なのに、ついつい癖で通路側席を要求してしまった…

 

 セキュリティチェックのところに行くと係員が居ない。
「どしよ?」と思っていたら、太った(←いかにもロシア人)がのろのろとやってきて「とっとと荷物を入れな! 靴も脱ぎな!」と言う。 とっととして欲しいのはあなたたちです、と思いながらX線モニターを見る係りのおばちゃんを見たら、モニターは見ておらずおしゃべりをしていました。
 12番ゲートだと言われていたのだが、そこに行くとマドリード行きになっている。
おかしいなぁ?と思い、スケジュールモニターを見に行ってもローマ行きは12番とでている。
信じるしかないと待っていたら、突然反対側のゲートでおばちゃんが「ローマ!」と叫びだした。
どうやらそっちらしい。 いいかげんな空港である。
 そして、キリル文字が全然読めないことが判明…

 

 外気温ー5℃。
機体まで行くバスに乗ったものの、なかなか出発しない。
あたしの服装は、アンダーウェアにフリースのみ。
ドアーが3つ開いた状態で出発を待つ。
15分くらい待たされました。 ちゃっぷい!

 

 機体は、エアバスA319-100。
客が少ないので、窓側に勝手に移動する。
外を見ると、大きな車両が凍結防止剤(←多分)を、ずいぶん高いところから機体にかけていた。

 スケジュールが混んでいるのか、動き出しても離陸まで20分待たされる。
乗り換えを待っていた時から便意を催していたので、はやく飛んでくれい!って感じ。

 離陸したらすぐに雲に入ってしまい、夜景は見えない。
ベルト解除になったら、トイレに駆け込む。
 飲み物が配られ、続いて食事。 有無を言わせずビーフを渡される。
どうやら一種類しか積んでいないらしい。
左側に写っているロシア製カニかまぼこが、口の中の水分を吸収してのどに詰まる。
白人は唾液が多いから良いものの、唾液の少ない日本人にはきつい!

 

 到着1時間前までウトウトする。
起きて外を見ると、眼下にイタリアの夜景が見える。

 出発が遅れた割には、ローマ・フェウミチーノ空港にほぼ定刻で到着する。
入国審査の係員に「ソスケ、ドコイキマスカ?」日本語でと訊かれる。
預け荷物と機内持ち込み荷物を合体させている間に、他の客はみな居なくなってしまい、一人きりになる。
とりあえず税関申告なしのゲートに進む。 係員がじーっと見つめる中を過ぎ、タクシー運ちゃんを振り切り、駅に到着

 

 切符を買う窓口が全部閉まっている。
自動販売機はクレジットカードしか使えない。
キセルでもすっか、と思っていたら、おじさんが机を一つ出して切符を売っていた。
この人はホンモノ??ダフ屋ではなく?と思いつつテルミニ駅までの切符を買う。
その切符が右の写真。 これでも切符…。 紙じゃん! やや不安。
切符は、刻印機で日付時刻を刻印しないとキセルになる、ということなので刻印機に入らない大きさのこの紙をなんとか入れようと試みていたら、通りがかりのおっさんが「それは必要ないさ」と教えてくれる。
左側写真がローマ中心部テルミニ駅まで行く直通列車のレオナルド・エクスプレス

 

 現地時間22:32発の列車。
前から2番目の車両。 空いていていい感じと、やや不安。
 ローマ市街地に近づくと、トラムが走っていたり、石の建造物(多分モニュメントとして残されている古代ローマのもの)が見えたりして、わくわくしてくる

 

 薄暗いテルミニ駅を出て、タクシーの客引きをすり抜けて、ホテルに向かう。
インターネットで予約しておいたホテル・アトランティコ、駅のそばでよかった…。

 きちんとイタリア語でチェックイン(おフランスでは英語使用)。 イタリア語はスペイン語と近いので、なんとなく判ります。
 部屋は204号室。 ついつい一つ上だなと思い階段で上がるが、そこは1F…。 丁度エレベータが来ていたので、もう1階分だけ、エレベータに乗る。 網をじゃかじゃかじゃかっと開けるエレベータなところがかっこよい

 鍵はICチップ式のモノで、泊まっている間しか使えないモノ。
部屋に入ったらTVを点け、荷をばらす。

 窓を開けて見ると、そこは汚い中庭…。
通りに面した部屋は、みなツインかダブルの部屋だ。
一人モンは、ここで我慢しなってところか。

 シャワーを浴びる。 口コミ通り、排水の音が響く。
もう夜遅いので、気を遣う。

 新聞屋に電話して、新聞を止めといてもらう。

 就寝2時。
日本時間、午前10時。
おネムである。
ちかれたぁ〜…

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