桃介通信バックナンバー2011.10
 2011年10月14日

1.某月某日、伊豆に向かう。
「ツール・ド・沖縄」参加の訓練のためです。
 夜中 雨が降っていたので、なんとなく「おれ、行かないかも…」気分になって眠っていて、寝坊をする。
そのために出発が一時間半遅れる。
薄ら寒い日だったので、下は7分丈のレーシングパンツ、上は長袖のクールマックスに暴風ジャケットを重ねる。
最初の5kmはウオームアップ、次の10kmは徐々に巡航速度にあげてゆく。 大磯辺りでジャケットを脱ぎ、国道一号に入ったら飛ばす。 ついつい独走者とはレースになってしまう。 これはわしだけではないらしいが、チャリダーはかなり攻撃的精神状態にあります。 車の運転手に怒鳴ったり、車を叩いたりします。 車を運転している人の99%は「運転している認識を持っているのか?」と本気で疑うほど、鈍い、トロい、下手、ダサい、卑怯、怠慢。 というわけで、イライラさせてくれるのです。 今回の練習で運転手に怒鳴ること、行き4回、帰り3回、車を叩いたのは帰りに1回のみ。

2.この前を走っている赤いの、わしが抜かした10分後、信号無視を重ねて小田原辺りで逃げて行きやがった。 早いうちに交通事故に遭うがよい。

3.小田原を過ぎ、早川沿いを箱根湯本に向かう。 この道は、いつでも渋滞だ。
しかしながら、この辺まで来ると旅気分。
温泉宿に泊まりたくなってきます。 秋の温泉いいなぁ。
箱根の紅葉が始まったら、泊まりに来ようかしら…、と思うのでした。

 2011年10月15日

4.国道一号線旧道を登ります。 箱根峠を越えるのです。
新道より旧道の方が情緒があり、くねくねしていてキツそうなので、面白いのです。
バス停などにも旧道と記してあるし、集落も〜宿という名が付いていて、よい感じです。

5.よい感じとはいえ、ずっと上り坂が続き、キツいわ、やっぱ。
GPSで見てみると、緩いところで2°、キツいところで14°くらいある。
え〜と、わしゃあ、6回は降りました。 四十過ぎのおっさんにはキツいのです。 残りの行程100km以上残して無理はしたくありませんので。
とはいえ、頑張ったりしちゃう時もあり、肉離れがおこる前兆を2回感じました。 もちろんその時はすぐに降りましたとも。 ヒザが痛くなりそうな前兆は、1回

6.七曲がりに入ります。
ぐねぐね曲がっています。
平均傾斜角10°とか書いてあります。
きっついです。
カーブの内側は14°以上ありました。
「なーんで、おれ、こんなことやってんだろ…?」と人生に疑問を感じてしまうのは、こういう時だったりします。

 2011年10月16日

7.本当の東海道が随分と修復されていて、綺麗な石畳が続いている。
道路に分断されてはいるが、これを辿って箱根越えをするのも楽しそうだ。
今度、徒歩でやってみよう。
と、考えながら休憩・水分補給。 今回のドリンクはグリコの高機能スポーツドリンクで、必要栄養素と共にエネルギーも補給できるというヤツ。 エネルギーも補給出来る割には、さっぱりとた味わいで飲みやすい。

8.11:30、出発から3時間、登りっぱなし1時間半で、ようやく芦ノ湖に到着。
出発が遅れたのでこんな時間になってしまい、やや不安。
残り100km弱。 もう一山、天城越えもする予定なのに、こんな時間。 暗くなる前に予約しといた温泉民宿にたどり着けるのかしら…、と切ない気分になる。
 とりあえすゴハン! ということで、コンビニに行ってアメリカンドックと餡饅と飲料を購入する。
湖畔に腰掛け、メールを打ちながらパクパク食べる。
ふと「帰っちゃおうかなぁ」なんて悪魔がささやくけど、逃げられないように宿に予約を入れといたのでした。 当日キャンセルは、キャンセル料100%です。 行かなきゃ、損、損!

9.さすがは山の上って処なので、じっとしていると冷えてくる。
あまり冷えないうちに出発するとする。
箱根峠を越えるところ。
この向こう側は、わしにとっては西日本。 大阪までずーっと見えるんじゃないかぁって気分(絶対 見えないけど)

 2011年10月17日

10.峠を越えると下り坂。
路面の状態よし! 景色よし! 爆走します。
爆走といっても、車やモーターバイクに囲まれて走っているので、最高速度64km/hr。 ちょっと物足りない。
(この速度はGPSで計った速度。 タイヤ回転で計れば、もう2km/hr位足される。 ブレがあるからね)
「うひょー!」っと走って緊張感の続いている間はよいのだが、ふと「なんでこんなことやってんだろ?」と魔が差すと、吹っ飛びそうになる。 「吹っ飛んだら、死ねるなぁ…、死ぬのも、面白いかも…」とか考え出すと、キケンキケン。 本当に吹っ飛びそうになる。

11.単調な下り坂が続き、緊張感の糸が切れそうになったので、下車。 山中城跡を見に行くこととする。
箱根には4城か5城築かれていたらしく、全部調べてみたいものである。 その中でも山中城は発掘整備されて、見やすい城。 もちろん建物の類は残っておらず、石垣のみなのだが、城というのはその字のごとく「土を成したもの」=戦闘のための土塁が元で、堀とか石垣とかはそれを発展させたものであります。 天守閣にいたっては、城の歴史としてはかなり後期のもので、まぁ見た目はキレイなのですが、わしとしてはそれほど重要な要素ではないのです。

12.矢印に従って東海道石畳を登ってゆくも、見付からず。
とうとう先ほど降りてきた国道一号も越えなければならなくなり、面倒になり引き返す。
チャリ、鍵掛けてきてないし、時間が押しているし。 次回、徒歩で箱根越えをする時にでも見に来ようと思う。

 2011年10月18日

13.下界に降りたら、国道一号線を外れて、下田街道に入ります。 135号・414号がそれです。
東側海沿いの道路が出来るまでは、南伊豆までの道はこの街道が主道でした。

14.まだ66km+5kmもあるのかぁ…、と撮った画像…。

15.コンビニに寄ってお手洗いを借りる。
無料で借りては申し訳ないので、アイスと大豆ドリンクを買い、糖分補給。

 2011年10月20日

16.なんだか徐々に上り坂ばかりになってきたぞ…、と。
コンビニでトイレ休憩。
まわりに山が迫ってきていて、視覚的には現在位置不明状態。

17.ずっと上り坂…。
気温が下がってきているが、わしは高熱源。
なんか時間がなくなってきているので、有名な滝も素通りです。

18.天城峠前の道の駅で休憩。
わさびソフトクリームかみかんソフトクリームを食べたいところだが、気温は低いので腹を壊しそう。
んだから、水分補給しながら行動食を食べるだけ。

 2011年10月21日

19.旧天城トンネルへの分岐。
「旧天城トンネルで心霊写真は撮れるか!?」というのも、今回の目標の一つなのである。

20.ガーン…!!。
砂利道かよ!! これ、ロードバイクでは乗っては行けないじゃん!
旧天城トンネルまで1.8km、んで、トンエルを出てからもこのぶんだと砂利道に違いない。 時刻は16時を過ぎ、残りの距離はまだ30kmはある。 「う〜ん、無理っ!」

21.旧天城トンネル通過は諦め、次回に持ち越し。
仕方なく、力無く、新天城トンネルを抜ける。

 2011年10月22日

22.城トンネルを越えると、待望の下り坂。 ぎゅんぎゅん飛ばす。 腕がつりそうだ。
 やがて、半径40m2重のループを降る。
目が回る。
登りでなくてよかった…。

23.ぎゅんぎゅん降っていたら、あら、なんか道が違う感じ。
調べてみると、下田ではなく、河津に向かっている。
414号線のヤツ、途中で右折なのか!! 道成に進んでいたら間違えてしまった。
しかし、ずっと下り坂出来たために、今更戻ることは出来ない。 時間も押しているし。
仕方なく海まで出て、135号線を南下することにする。 この道は帰りに使うから、行きでは通りたくなかったのになぁ…。
画像は、135号線との合流地点。

24.とある峠で休憩。
ゴールのやつ、まだあんな先に居やがる…。

 2011年10月23日

25.白浜あたりで、よい夕焼け。
夕焼けって、なんか追われているような気になってきます。
「早く家に帰らなくちゃ。 夕ご飯の時間だぞ」とか「闇が迫ってきていて、得体の知れない者がやってくるぞ」とか、そういう感じ。

26.ゴール(宿)前5kmの時点で、到着予定時刻の17:00。
近道をしようとグーグル地図に従って進んだら、迷いました。 急坂の多い複雑な住宅地に迷い込み、焦る。 「でも、人に訊いたら、負け!」 グーグル地図は、ヘンな場所を示しているし、GPSナビは大きな道路しか標示されないので住宅地では無力。
30分掛けて何とか迷い始めた処まで戻る。
民宿にもう少し到着が遅れる旨の連絡を入れる。
 やはり大きな道を行こうと、国道を通る。 美しい夕景が、心を慰めてくれる。

27.17:50、ゴール!
下田の先にある爪木崎の温泉民宿「権兵衛」。 東斜面の先っぽなので、もう真っ暗です。

 2011年10月24日

28.2階なんだけど、階段の途中にロフトのような納戸のような入口があったので、3階のような103号室。
結局アレね。 はじめは お泊まりセットを宅急便で送ろうとしていたけれど、それも面倒になり担いで来ちゃったのね。 このザックがなければ、もう少し早く走れたのかなぁ。
 荷物を部屋に置いたら、まず、温泉に入りに行く。 温泉といっても民宿なので、普通の家の風呂とさしてかわらない造り。 湯は無色透明・無味。 何に効くのかは不明。
湯から上がったら用意されていた浴衣に着替え、部屋に戻る。

29.すぐに晩ご飯が運ばれてくる。
品々をトレーに載せた状態で持ってきていただき、配膳はセルフサービス。 「ビールをひとつお願いします」と頼んだら、スーパードライの大瓶がやってきた。
サザエさんを見ながら「(お命)いただきます!」

30.のんびり食べていたら、一時間もかけてしまう。 なんというか、量が多いのです。 運動していなかったら、食べきる自信はありません。
 手酌で瓶ビールっていいかんじだなぁと思いながらお汁も飲むと、汁椀の底に入っていたのはたくさんのヒザラガイ。 こいつは10年以上前に神津島で摂って食べた以来。 あの時は苦くて不味かったので食べられないものだと認識したのに、出汁としてはよい味を出すのかな。 一応、身も食べてみる。 堅くてジャリッとして磯臭い。 やっぱり出汁なのかな?

 2011年10月28日

31.朝です。
半島の先ゆえにそこをゴールにするのか、夜半、結構モーターバイクが来てバウンバウンとエンジンを吹かして煩わしかった。 エンジンに頼る軟弱な小僧は嫌いである。

32.8時、朝ご飯の時間です。
朝からこんなに食べられるのか?と思うほどの量です。 これ、湯治などで泊まっていたら、絶対に太りますな。

33.「いただきマンモス」

 2011年10月29日

34.伊豆白浜です。
この辺りの砂浜は白いのです。 キレイに見えます。
鎌倉の海などは、砂鉄がいっぱいなので茶色です。
 どうでもいいけど、ヘルメット、常にずれていやがるな…。

35.伊東を過ぎ、昼食です。
コンビニに行き、アメリカンドックと梨ジュースを購入。 サンハトヤを眺めながら、食します。
いい天気です。

36.アップダウンの繰り返しを漕ぎ、ようやく14時頃、熱海城が見えてきました。
ここからは経験済みの道なので、もう、家に着いた気分。
 熱海駅で「チャリを畳んで電車で帰ろうかな」なんて考えてしまいましたが、やっぱり日本男児としてそれはマズいので、きちんと漕いで帰りました。
 おわり。